月が空からおりてきて

むかしむかし 月が空からおりてきて

海のなかをおよぎました

月のかけらが海のそこに落ちて

きらきら光って輝きました

 

むかしむかし 月が空からおりてきて

森のおくでお散歩しました

月のかけらが土のうえに落ちて

きらきら光って輝きました

 

むかしむかし 月が空からおりてきて

街のなかでダンスをおどりました

月のかけらが窓ガラスにうつって

きらきら光って輝きました

 

むかしむかし 月が空からおりてきて

ないしょのないしょの恋人とキスしました

月のかけらがくちびるを伝って

きらきら光って輝きました

 

むかしむかし 月が空からおりてきて・・・ね

心の病

どうして心の病は

僕らと世界をひきはなしてしまうのだろう

道ゆく他人が

僕を見ているような気がして

僕の頭の中を透けて見ているような気がして

恐ろしくて

ただ 恐ろしくて

それなのなら世界と僕の間には

グレーのベールが存在している

触れられないベールが僕と世界とを引き離している

心の病は

僕と世界を引き離してしまうんだ

金木犀

金木犀のあまーい香りが

空から降ってきて

あぁ そんな季節かぁって

思ったんだ

明るい橙色の花が

どこにあるのか探したよ

やすむとき

いまは まだ がんばらない

いまは まだ やすむとき

かんがえるのも やめていい

ただぼーっと やすむとき

あるきだすちからを ためるため

いまはただ やすむとき

ちいさな自分のために

ちいさな自分が泣いているよ

さみしい

さみしい

誰か愛して!見捨てないで!

ちいさな自分が求めているよ

優しくして

認めて

ちいさな自分のために

じぶんの声をきこう

休みたい? 眠りたい?

食べたい? 出かけたい?

自分の声を無視して都合や妥協で生きていたら

ちいさな自分が叫んでいたんだ

「自分を無視しないで!自分の首を絞めるのはやめて!」

自分に優しくない自分が嫌い

自分の本当の気持ち無視する自分はきらい

ちいさな自分のために

ちいさな自分のために生きるよ

これからは

ちいさな自分のために決めるよ

ちいさな自分の味方になるよ

だからもう泣かないで

いつかきっと

いつかきっと

かたちになるよ

いままでの 点と点がつながって

あなたの わたしの 力になるよ

耐えるときもある

いま いまを生きよう

生きる力

生きる力はどこから出てくるのだろう

ご飯を食べること?

眠ること?

お金を稼ぐこと?

恋人と過ごすこと?

家族を愛すること?

私の生きる力は

どのぐらいあるのだろう?

疲れてしまった?

足が擦り切れて血が出ている

また歩き出せるまで…いまは休むの

生きる力はきっと

自分の中にある

ちいさなこども

自分のなかにね

ちいさなこどもがいて

か細い声で泣いていたんだ

「ぼくを無視しないで」って

おとなの自分がね

そっと近寄って

いままでごめんね

もう大丈夫だからね

そばにいるからねって

抱きしめてあげるんだ

ちいさなこどもと

涙を流しながら

ぽつぽつ 話をしたよ

さみしかったこと

つらかったこと

くるしかったこと

腹が立ったこと

ぜんぶぜんぶ受け止め切れないけど

すこしずつ抱きしめて

氷を溶かして

傷を癒して

毒を抜いて あげるからね

もうひとりには しないからね

安心してね

泣き疲れたら 眠っていいよ

おかえり ちいさな自分

ただいま ほんとのわたし



生き方

嫌なことがあれば泣く
嬉しいことがあれば笑う

いつからそんな簡単なことが
できなくなったんだろう

空はとても青いのに
心が暗く沈んだまま

生き辛い 辛いのに
その生き方にしがみついて 離せない

やめればいいのに
やめればいいのに

お金持ちになって豪邸に住んだら
嫌なことは全部なくなるのかな
そんなわけない
生きていく 必死に
それでももう少しくらい楽チンな道を選んでもいいよね

ピリピリ尖ってばかりの神経も
浅くなってのどが苦しい呼吸も
もうやめよう

金曜の夜みたいに
旅行先の自由みたいに
海外に来たときのドキドキみたいに
生きていけたらきっと

空の青さを吸い込んで 生きていける

今できることから
まずは一歩ふみだそう
手放そう
今までの生き方を