生きなくちゃ

まるで

足が擦り切れたかのよう

踏み出す一歩が 重くのしかかって

傷が増える

 

ここにいても

空が狭いなら

いっそ遠くへ行っても

かまわないかな

 

空いたお腹が

時間を知らせる

そうだ 食べなくちゃ

 

生きなくちゃ こんなでも

好きなこと

好きなことを忘れていた

頑張ることに必死になって

好きなことをするのを忘れていた

好きなことに触れるのを我慢していた

とつぜん頑張れなくなった

頑張る一歩が踏み出せなくて

そんな自分を恥じた

やめたやめた全部やめた

なにもできない自分に価値はない

ただ時間が流れて

ただ風が流れて

ふと好きなことを思い出した

そうだ音楽を聞こう

絵を描こう

遊園地に行って

遊び倒そう

コーラを飲んでビールを飲んで

焼き鳥食べてラーメン食べよう

我慢するのなんでやめよう

ぼくはここにいていいんだよ

ぼくはここにいていいんだよ

何もできなくても

ここにいていいんだよ

遊んでいいんだよ

泣いてもいいんだよ

笑ってもいいんだよ

頑張らなくてもいいんだよ

眠っていいんだよ

ぼくはここにいていいんだよ

忘れないで

ぼくは生きてていいんだよ

ここに生きてていいんだよ

今日も明日も何もできなくても

生きていればいいんだよ

さいはて

なくしたものはここですか

ここはさいはてのち

わすれさられた ものたちがつどう

あのときの ぬいぐるみも

あのとき いえなかったことばも

みんなここへ たどりつく

なくしたものは ありますか

きっとみつかる

ここには なんでもある

おんがく

みみをふさいで

おんがくで

わたしをみたして

ほかのざつおんが

はいりこまないように

このまましずんでいきたい

なにもない やみのなかへ

みんな みんな

きえてしまえ

みんな みんな

おちてしまえ

そら

そらは あおいな

そらは ひろいな

ぼくの こころも

そらみたいに

すきとおって じゆうなら

いいのになあ

晴れた空

晴れた空が好きだ

なんて気持ちいいのだろう

あの空のように私の心も

澄み切ったらいいのに

吸い込んだ空気が

冬の街の匂いがしても

私は空にはなれないまま生きている

じたばたもがいて生きている

向き合うのが難しいまま

やり方もわからないまま

晴れた空は

そんな私を見つめている

不安だ

不安だ

不安でも生きていかなきゃならないんだ

なら不安に溺れたままでいいのか?

生きやすい方法を探さないのか?

いや生きやすい方法を探そう

息をする方法を探そう

泳ぐ方法を習得しよう

水から出て陸にあがろう

生きていくというのは

そういうことなんじゃないのか

だから不安になったら

方法を見つけるんだ

強さ弱さの問題じゃない

生き抜く方法を見つけるんだ