牙をむいて

今日も憂鬱な希死念慮が襲う夜は

牙をむいて

振り回した腕で世界をなぎ倒し

孤独と戦い暴れる

口から出る暴言も

無性に引っ掻いた傷痕も

妄想の中の出来事で

ほんとはただ

天井を見つめて横たわっているだけ

暴れられたらどれだけ

気持ちがいいだろう

真面目すぎて感情のままにぶつける事すら

できやしない

鋭い牙は

自分の心をぐしゃぐしゃに踏みにじって

引き裂くためだけにある

もっと優しく

私に優しく出来ればいいのに

悲しい歌も

私を癒すことは出来なくて

私がつけた傷跡が

私をいまだにいじめぬいて

自分の味方になれないこの世界が

私の味方になってくれることはなくて

憂鬱な私の心がまた

憂鬱をつくりつづけている